5×20と、その先のこと
※2019年6月末に書いて、そのまま仕舞い込んでいた記事です。
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「嵐を宝箱に閉じこめたい」。
あの日、翔くんはそう言った。
その言葉が、見事に体現されたアルバム、そしてミュージックビデオなんじゃないかと思います。
ARASHI All the BEST! 1999-2019 5×20
ついに発売された、20周年記念のベストアルバム。
嵐が、大事に大事に守り続けた、築き上げた、奇跡の20年が詰まったアルバム。
「宝物」という言葉がこんなにも似合うものに、初めて出逢った気がします。
初回限定盤①には、5人が作詞をした新曲「5×20」のミュージックビデオが収録されていました。
自己満足に過ぎませんが、初見の感想を残しておこうと思います。
きっと、時が経つにつれて、見え方が変わってくると思うから。
「泣けるよ」とたくさんの人が言っているのをSNSで見かけて、それはきっと嵐に対する愛が溢れて、幸せが故に流れてくる涙なのだろうと想像していました。
でも、私が初見で少しだけ流した涙は、幸せよりも、どうしようもない切なさと苦しさによるものだったと思います。
ずっと見ないようにしてきた現実と、もう一度向き合わなきゃいけない気がしました。
頭では分かっているんだ。理解もしているし、受け入れている。どこまでだってついていくし、いつまでだって待っていると決めた。
でも、5ヶ月経った今でもやっぱり実感が湧かなくて、5人はこの先もずっと近くで笑っていてくれる気がしてしまう。
「ありがとね」「ありがとう」
互いに掛け合うその言葉が苦しかった。
「ありがとう」って素敵な言葉なのに、「皆で揃ってありがとうだなんて、当たり前じゃなくて幸せな事」なのに、どうしても、辛かった。
その先に続く言葉を聞きたかった。
「これからもよろしくね」って言ってほしかった。
会見の後の色々な言葉を聞いて、パフォーマンスを見て、いつか必ず戻ってくると信じられたから、前を向けていたし、5人の笑顔にただただ癒される毎日を送っていた。
5人を見ても、前ほど泣きたい気持ちにはならなくなっていた。愛おしい瞬間を全部残しておきたいとは一層思うようになったけど、悲しくはなかった。5人は変わらずにそこで笑っているから。そしてこの先も変わらずに笑っていてくれると思えたから。
そんな自分を客観的に捉えて、私は彼らの選択をちゃんと受け入れられたのかなと思っていた。
でも、それはただ、2020年のその先を、頭からシャットアウトしていただけなのだと気付いた。5人が並んでいない世界が訪れる、ということを考えることを、脳が拒否していた。だから、涙もほとんど出ない。
そのことに気付いて、絶望にも似た感情を抱いた。何に絶望しているのか、どこにぶつけたら良いのか、わからないこの気持ち。
このMVとメイキングを見て、そんな自分の気持ちに気付いてしまった。
そして、5人はもしかしてこのままどこかにふっと消えてしまうんじゃないかと思ってしまった。
ちょうど、砂に書いた文字が、波の中に消えていくように。
5人を10年追いかけてきたのに、信じているはずなのに、どうしてもそんな不安がよぎってしまった。
弱いファンでごめんね。
「休止するからね」と二宮くんはぽつりと、あくまで冷静にそう言った。
「休止」という言葉すら使いたくなくて、出来るだけ避けてきた私には、久しぶりに聞く言葉だった。
改めて本人の口から聞くその言葉は、ぐさりと胸に突き刺さる感じがした。
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この先が書けなくて、ずっと下書きにしまっていました。
でも、相葉くんは、15年ぶりに書いた手紙の中ではっきりと言った。
「休止と書いて、パワーアップと読む」と。
言葉にする難しさを超えて、たくさんの人が見守る中で、自分の気持ちを真っ直ぐに話してくれた。
「5人でトップになろうね」
もうとっくにトップじゃないかと思ってしまうけれど、嵐はこれからも5人で、見えない“トップ”を目指し続けるのだろう。そのとき彼らは、5人でいる。ずっといる。そう思う。
ここには私の願いも込められている。
もしかしたら、こんな願いはプレッシャーになってしまうのかもしれない。けれど、今は勝手に願わせてほしい。これからも、5人と同じ夢を見ていたい。
だけど、謝らないでほしい。わがままなんて言わないでほしい。背負い込まないでほしい。これは私の、ファンの、勝手な想いだから。
あなたは、5人は、どうか自分のために生きてね。
そしてその先で、5人の線がまた交わることがあればいいな。
そのときは、また一緒にいさせてね。
それが、今の私の本当の願い。
5×20 ダブルミリオン、おめでとう!